from the fire to the wire (2)
「後日」といっておきながら,忘れてました・・。
先週書いた「Through the fire」の「the fire」の意味ですが,答えは「攻撃・射撃」。より正確には「(対空もしくは空中戦での)砲火・銃撃」ということになります。理由は,「fire」にある定冠詞「the」です。
「TOP GUN」のストーリーから,この歌で言及されている内容もまた,軍用パイロット(特に航空母艦艦載機のそれ)についてであると見ていいでしょう。決して「飛躍」をはいえないでしょうし,実際この歌詞だけでもその点は推測できます。とすると,前回掲げた文章や,この歌の冒頭部分にある「I will take it to the wire now / Until every race is run / I'll go straight into the fire now / Until every day is done」などから,「fire」と「wire」が単に音韻の面だけでなく,意味的にも対置関係にあることが分かります。
軍用パイロット(あるいは軍人)にとって「the」,つまり共通認識にある「fire」とは何でしょ?。
・・「撃て!(Fire!)」は容易に思いつきます。よって,ここでの「the fire」(名詞)は「撃つこと」→「攻撃」。「through」とあるから,単に「自分が撃つこと」だけでなく「撃つ」「撃たれる」双方の状態,つまりは「砲火」とか「攻撃」という状態と解釈できます。
なお「the fire」の対にある「the wire」。これは厳密には,航空母艦の甲板上に張られている着艦用のワイヤー,「アレスティング・ワイヤー(Arresting Wires)」のことです。なぜかというと,これもまた歌詞の内容,および「the fire」が分かった段階で,想像できるものだからです。
艦載機は着艦する際,速度と高度を調節しながら,機体後部下面にある引っ掛け棒,「アレスティング・フック(Arresting Hook)」をこのワイヤーに引っ掛けて停止します。時速250kmほどで降下してくる数十トンの機体を,直径数センチのワイヤに引っ掛けること自体「離れ業」としかいいようがありませんが,ダメなら直ちに機体と速度を上げ,再度離艦しなければなりません。その判断は瞬時です。このテクニックだけは人間の感覚に頼らないとダメなようで,艦載機のパイロットはひたすらこれの訓練に時間を費やします。
ワイヤーを掴むことで無事帰還することができる,つまりはこのワイヤー自体,生還する帰着点そのものといえるでしょう。そう考えると,歌にある「the wire」は「物理的な何かのワイヤー」というより,「生きて帰る場所」とでも解釈した方がいいような気がします。
語の奥に潜んだ意味を解するのは,ホントに難しいものです。
図・英語だけど分かりやすい(ココ)


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